10月20-21日に第5回日本予防理学療法学会学術大会が催され,理学療法士の金居督之さん,久保宏紀さんが発表をしてきました.
金居督之 他:軽症脳梗塞患者に対するセルフ・モニタリングの指導が退院後の身体活動量に与える影響
軽症脳卒中患者において,急性期よりセルフ・モニタリングを行うことで身体活動量の増加が図れることを示した先行研究(Kanai M, et al. Clin Rehabil. 2018)の追跡研究である.退院後の身体活動量はセルフ・モニタリング実施した群(13名)と実施しなかった群(17名)に有意差を認めなかった.一方で身体活動量には自己効力感の指標であるSEPAが関与することが明らかとなった.この結果は決してネガティブではなく,今後の指導や研究に向けて示唆に富む内容となりました.
久保宏紀 他:地域在住高齢者における,咳嗽機能と呼吸筋力および運動機能との関連性について~前期・後期高齢群の比較,横断研究~
地域在住高齢者143名を対象とし,前期・後期高齢群それぞれにおいて咳嗽機能に関連する要因(呼吸筋力・運動機能)を検討した.前期高齢群(86例)では持久力の指標である3分間歩行が咳嗽に関連した.一方で後期高齢群(57例)では呼気筋力が咳嗽に関連した.加齢にともない咳嗽機能に関連する因子は変化することが予想され,運動療法の内容も変更していく必要があると考えられる.
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