本日の朝礼で、当院の理学療法士の金居督之さんが、2018年の8月の「Clinical Rehabilitation」に出版された「Effect of accelerometer-based feedback on physical activity in hospitalized patients with ischemic stroke: a randomized controlled trial.」の論文がCochrane Database of Systematic Reviewsの「Activity monitors for increasing physical activity in adult stroke survivors.」に取り込まれ、システマティックレビューされ、リハビリテーション医学を発展させた功績を讃え、院長特別賞を授与されました。
金居さんが実施した臨床研究は、脳梗塞入院患者を対象にして、身体活動量を高めるために、活動量計を活用し身体活動量をフィードバックする方法の効果を検証することでした。急性期病棟に入院した独歩が可能な軽症脳梗塞患者55名を、活動量計を活用し身体活動量をフィードバックする群としない群に無作為に割り付けました。介入群は、患者さまごとに1日の基準となる身体活動量を測定した後に,患者さまごとに具体的な目標設定を行い,徐々に身体活動量を増加させるように指導します.この目標は理学療法士が一方的に決定するのではなく,患者さまと相談した上で個人個人に合わせた実現可能なものに設定します.目標を立てた後に,患者さまは自ら自身の身体活動量をセルフ・モニタリングしてもらい,日々の歩数や自主練習の内容を行動記録表に記載していただきます.この記録をもとに,理学療法士が前日の達成度合いなどをフィードバックし,次の目標を設定するといった内容で進めていきます.その結果、対照群と比較して、介入群では、フォローアップの時点で、身体活動量が有意に高まることが分かりました。
院長特別賞を授与された金居督之さんは、「研究のための研究で終わるのでなく、少しでも患者さんに還元できるように、今後も研究活動を続けてまいります」とコメントしています。
今後も、当院リハビリテーション部は、患者さま、医療者の皆様のお役に立てるために、リハビリテーション医学の発展のために、臨床研究も頑張っていきたいと思っております。
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